円鏡寺

臨済宗妙心寺派に属する寺院、本尊は薬師如来坐像。
寺伝によると天文5年(1536)南嶺元浦和尚によって寺山(今の地の西500メートル)に創建、元禄年間鉄翁祖元和尚が現在の勝景地に移した。同14年(1701)本堂以下堂宇も建立されたと伝う。山門は昭和41年(1966)に大改修され、現在の本堂は昭和57年(1982)、庫院は平成4年(1992)に改築された。境内墓地(本堂側)に、文政のころ毎年秋の毛見巡検の接待(他村では一日の滞在に対し朝来下村では交通が便利なため二・三日滞在する)に苦しんで、農民三兵衛がこの制度の改革を直訴し遂に処刑された。
この義民「鐵堂祖心信士」の墓がある。また当寺観音堂には紀南では少ない奪衣婆(三途河で亡者の衣類をはぎ取るという鬼女)の木造もある。

上富田文化財 出典